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説明に専門用語を使うか使わないか?

お客様への説明に専門用語を使用せず、簡単に説明するには?

専門用語を使わなくても、簡単に説明してもいい一つの例を、
「消費税の納税が必要かどうか?」という質問で考えてみたいと思います。

簡単に説明すると、
「2年前(2期前)の売上が1,000万円を超えているなら、納税が必要ですよ。」
おおよそ、この説明で問題が起きることはありません。

これを専門用語で漏れなく説明しようとすると、
「その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の場合には、その課税期間の納税義務が免除されます。」
となってしまいます。
さすがに極端ですけどね。国税庁のHPからそのまま引用しました。

前者の説明のほうがわかりやすいのは間違いないです。

しかし、前者の説明では問題が起きる場合もあります。例えば、

  1. 土地の販売・貸付けや住宅の貸付けなど、非課税の売上が多くを占める不動産の販売業者・貸付業者など
  2. 資本金が1,000万円以上の新設法人
  3. 2期前の事業年度が11ヶ月以下の法人(事業年度がない場合を除く)
  4. 前年1月1日から6月30日の間または前期前半6ヶ月の間で、課税される売上が1,000万円を超え、かつ、給与などの金額も1,000万円を超える個人事業主および法人
  5. あらかじめ、消費税の課税事業者となることを届け出ている個人事業主および法人
  6. 相続があった個人事業主
  7. 合併、分割があった法人

他にもありますが、これらに該当する場合には、説明のしかたを変えなければなりません。
逆に言えば、これらに該当しないことを知っていれば、上記の簡単な説明でも問題ないわけです。
まずはわかりやすくシンプルに、を心掛けています。

上場株を売ったときにかかる税金

上場株を売ったときにかかる税金などについてまとめてみました。

上場株の税率など

上場株を売った(売れた)場合には、その譲渡益(もうけ)に対して課税されます。
その譲渡益は、事業所得や不動産所得などとは切り離して課税されます(分離課税といいます)。
事業所得や不動産所得などは、所得が一定額を超えた場合、その超えた部分により高い税率が課されます(超過累進税率といいます)が、上場株については、どれだけ譲渡益が増えても、一定の税率が課されます(比例税率といいます)。

  1. 上場株の譲渡益(もうけ)に対する税率は、20.315%(所得税(復興税を含む)15.315%、住民税5%)です。
  2. 上場株の譲渡損失(赤字)は、まず、その年の他の株の譲渡益と相殺されます。
  3. 相殺しきれなかった譲渡損失は、上場株の配当から控除することができます。
  4. さらに、その配当から控除しきれなかった譲渡損失は、翌年以後3年間繰り越し、翌年以後の株の譲渡益や上場株の配当から控除することができます。

これらの相殺や損失の繰り越しをする場合には、確定申告が必要となります。

上場株の優遇措置

特定口座制度
証券会社に特定口座を設けた場合、その口座内で売買した上場株の譲渡益については、

  • 証券会社が税額の徴収・還付を代行してくれる「申告不要制度」
  • 証券会社が交付する「年間取引報告書」により比較的容易に確定申告ができる「簡易申告制度」

があります。

他にもありますが、ざっとこんなところです。

勘定科目の分け方 その2

勘定科目に絶対はありません。

絶対にこの勘定科目にしなければならないという決まりはありません。
毎月の試算表を作成するときは、勘定科目を細かく分けたり、新たに作成したりして、経営成績の把握に利用し、決算書を作成するときは、細かく分けたものをまとめ直してもOKです。

分け方のポイント

  • 判断基準を決めて、継続して同じ勘定科目を使用する。
  • 1回の取引金額が大きく、毎月の推移を把握したほうがよいものは必ず分ける。
    「売上高」、「役員報酬」、「給与」、「仕入高」、「外注費」など。
  • 金額が小さくなるものは、細かく分けすぎず、似た性質を持つ他の勘定科目に含めてもよい。
    「事務用品費」勘定の金額が小さくなるのであれば、「消耗品費」勘定に含めてもよい。
  • 金額が大きくなるもので、適当な勘定科目が見つからなければ、新たに作成する。
    研修にコストをかけている企業は、「研修費」勘定を作成するなど。
  • 一般的に使用されている勘定科目名を、よりわかりやすい勘定科目名に変更する。
    「法定福利費」勘定を「社会保険料」勘定に変更するなど。
  • 金額が比較的大きくなるもので、さらに内訳を知りたい場合などは、新たに作成する。
    通勤手当は、「旅費交通費」勘定を使用しないで、「通勤手当」勘定を作成するなど。
  • わかりやすくするため、あえて一つの勘定科目にまとめる。
    「ガソリン代」、「自動車保険」、「車検代」などは、「車両費」勘定にまとめるなど。
  • 毎月の金額が一定になるものは分けておく。
    「保険料」、「事務所家賃」、「リース料」など。
  • 消費税のかからないものは分けておく。
    「租税公課」、「保険料」、「諸会費」、「支払地代」など。
  • 試算表をパッと見てわかりにくい勘定科目は、わかりやすいものにする。
    「租税公課」勘定を使用しないで、「事業税」勘定や「固定資産税」勘定を作成する。
  • 「雑費」勘定はなるべく使用しない。

ポイントはざっとこんな感じでしょうか。

どの勘定科目がわかりやすいのかは、人によって微妙に違います。
自分がわかりやすい勘定科目を使用しましょう。
前回の投稿「勘定科目の分け方 その1」で説明した5つのカテゴリーさえ間違えなければ大丈夫ですよ。

勘定科目の分け方 その1

勘定科目の分類は、まず5つのカテゴリーから。

勘定科目の分類に迷う、初心者の方向けのお話です。

勘定科目の種類を全部覚える必要はありません。細かく分類しようとするとキリがありません。
勘定科目名は、書籍などを参考に一般的なものを使用してもいいですし、独自の科目を設定してもOKです。
でも、使用する勘定科目が、次の5つのカテゴリーのどれに属するか?は必ず確認してください。

  • 「資産」勘定・・・企業が所有する財産で、現預金、売掛金・未収金などの債権、建物・備品などの固定資産など
  • 「負債」勘定・・・企業の支払義務で、買掛金・未払金・借入金などの債務など
  • 「純資産」勘定・・事業に必要な自己資金で、株主からの出資金、事業主の元入金など
  • 「費用」勘定・・・企業が支払ったあるいは支払うべき代価で、人件費や交際費など
  • 「収益」勘定・・・企業が実現した価値の増加(収入)で、売上や雑収入など

この5つのカテゴリーを間違えなければ、会計の利益計算、税金の所得計算を間違えることはまずありません。

例えば、比較的わかりやす間違いとして、「旅費交通費」100円を「通信費」100円で処理したとします。でも利益の計算結果は同じになります。
なぜなら、「旅費交通費」勘定と「通信費」勘定は同じ「費用」勘定のカテゴリーにいるからです。

  • 収益300円(売上)-費用100円(旅費交通費)=利益200円
  • 収益300円(売上)-費用100円(通信費)=利益200円

企業の最終的なもうけの金額(当期純利益)はどちらも同じです。
まずは、この当期純利益を間違えないようにすることが先決です。当期純利益(当期の所得)を間違えると、税金を多く納めすぎたり、少なく収めたりすることになるからです。

一方で、その「費用」の内訳が知りたい場合は、上記の処理はやはり問題があります。
費用100円は、電車の利用(旅費交通費)からではなく、電話をかけた(通信費)から発生したものです。
勘定科目の分類は、税金の計算のためだけに行うものではありません。やはり一つ一つ正確に分類する必要があります。

詳しい勘定科目の分け方のコツなどは、また次回に。

メモはあとで見返してわかりやすいことが大事。

打ち合わせ時のメモについて考えてみました。

今までいろいろ試しました。メモ用具、メモアプリ。
たどり着いたのは、「A4の白紙」に「サインペン(水性)」というシンプルなもの。
なぜそうしているかというと、あとで見返したときにわかりやすいからです。

自分のメモで気づいたこと

  • 相手の話をよく聞くことが重要なので、メモは早ければ早いほどいい。
    メモに手間取り聞き返してばかりいると相手もイライラします。
  • 重要なところは大きくグリグリ囲います。
  • 話の流れが大切なので、図を書くことも多い。
  • 後で見返すのは自分だけ(一人で仕事をしているので)。
  • 税法は図や表で説明すると理解してもらいやすい(お客様に見せる)。
    特に時系列(線表)はよく書く。
  • 日付や名称などは、あとで適当な余白に記入すればいい。

そんなこんなで、白紙の方が使い勝手がよく、早く書きやすい水性のサインペンが一番だと気づきました。

ノートパソコンやスマホにメモをとっていた時期もありました。
職業柄キーボード操作は早いほうですし、メモアプリもいろいろ試しました。
でも、圧倒的に手で書いたほうが早いし、効率がいいんですよね(録音する以外は)。

メモの整理

昔は重要なメモは、ノートパソコンに打ち直して整理していました。
でも、次回の打ち合わせのためにファイルを見返しても、きれいに整然と字が並んでいるので、内容が頭に全然入らないんです。
殴り書きでも文字に強弱があり、図や表も入り混じっていると、打ち合わせ時の状況が思い出され、内容が頭によく入ります。

一度書いたメモは紙では持ち歩かず、スマホアプリでスキャンし保存しています。スキャンしやすいように用紙サイズはA4に統一しています。
スキャンしたメモは捨てずに封筒に入れていきます。そのまま入れっぱなしです。書いたメモを捨てないのはトラブルになった時のためです。
前回のメモを見たい時は、スキャンした画像ファイルをノートパソコンやスマホで見ます。

メモはキレイにとる必要はなく、あとで見返して自分が理解できれば問題ありません。何が書いてあるのかわからないほど汚いものだと困りますが。

税理士は何をやってくれるのか?その3

「何をやってくるれのか?」
つまるところ、専門の税務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)以外の何をやってくれるのか?ということなのでしょう。

思いついた業務を挙げていくと、

  • 決算書の作成
  • 記帳代行
  • 給与計算代行
  • 社会保険手続
  • 経営計画作成
  • 経営相談
  • 助成金申請
  • 外部資金調達
  • 法人設立
  • などでしょうか。

    でも、これらの業務はご自身でもできます。
    さすがに決算書は税理士が作成することになると思いますが、他の業務は税理士が全部やらないほうがいい場合もあります。
    簡単なアドバイスや一部のサポートだけで十分対応でき、費用もかからず効率がいい場合もあります。
    以下、正直に思うところを書いておきますね。

    記帳代行、給与計算代行

    記帳に関わらないと経理は身につきません。どうしてもやりたくない人以外はやったほうがいいです。記帳も給与計算も専用ソフトを利用すれば今は簡単です。経理は本来企業の経営(経営計画など)に役立てるためのもので、税金の計算をするためのものではありません。

    社会保険手続

    一度やり方を覚えればさほど難しいものではありません。説明を受けながらでも十分対応できます。

    経営計画作成

    ほとんどの税理士が積極的です。経営に関する計画ですから主体は経営者、税理士はサポート役です。ポイントは経営者が業績数値に関心があるか、読めるかどうかです。経理がわからないと数値は読めません。数値が読めないと経営計画は立てられません。

    経営相談

    経営に対する考え方などを共有できそうな税理士を選ぶことが重要だと思います。よい相談相手となってくれるでしょう。ただ、税理士は実際に営業したり企画したりはしませんし、できません。

    助成金申請

    地に足の着いた経営計画が作成できていれば問題ありません。

    外部資金調達

    税理士のコネだけで融資が受けられるようなことは絶対にありません。会社の業績で判断されます。

    法人設立

    税理士は他人の登記業務を行えません。最初から司法書士なのどの紹介を受けたほうが手続きもスムーズに進み、安く済みます。激安料金で設立してもらっても結局顧問料が割高になるだけです。

    このように、税理士になんでも任せると結果として企業のためにならない場合もあります。

    税理士を選ぶときに、何より重要なのは相談のしやすさです。次に適正な価格設定でしょうか。
    結局のところ、一度会ってみて何でも相談できそうだなと思ったら、それがたぶん一番いい税理士なんでしょう。
    でも「相談のしやすさ」=「なんでもやる」ということではありません。
    私も専門分野以外の仕事はできる範囲で、というスタンスでやっています。

    「何をやってくれるのか?」=「全部やってくれなきゃヤダ」という考え方だとしたら、改めたほうがいいかもしれません。
    性格の合わない税理士を選んでしまう可能性がありますよ。

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