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馬券の払戻金は一時所得?

今まで馬券の払戻金は一時所得に該当するとされ、当たり馬券の購入費用しか必要経費になりませんでした。

しかし、今回の外れ馬券訴訟の最高裁判決を受けて、一定の要件を満たせば払戻金が雑所得に該当することになります。つまり、購入した多くの外れ馬券が必要経費として計上できることになります。

雑所得に該当する場合の要件は、要約すると以下のとおり(所得税法基本通達34-1より)。

  • 馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用する。
  • 独自の条件設定と計算式に基づいて購入する。
  • インターネットを介して購入する。
  • 長期間、多回数、頻繁に、網羅的に購入し、当たり馬券の配当金を得る。
  • 多額の利益を恒常的に上げる。
  • 一連の馬券購入が一体の経済活動であること。

以上です。(笑)

今回の訴訟ついては、私も事例研究していた時期があるので補足すると、被告人は馬券を継続的に投資目的で購入しており、数年にわたって回収率は100%を超えていました。
また、購入にあたってはJRAのiPAT(馬券購入サイト)を利用し、購入する馬券は既存のソフトウエアに独自の条件プログラムを加え、偶発性、射幸性(ギャンブル性)を極限まで排除していました。

そのような特殊な購入形態が、営利を目的とした継続的行為と認められ、雑所得として外れ馬券の購入費用も必要経費になりましたというケースです。

雑所得になる場合の要件を見てもらえばわかりますが、極めて限定的で該当する人がいるとは思えません。

競馬をギャンブルとして楽しむ分には、外れ馬券は経費になりませんのであきらめましょうね。

親族間での家賃と必要経費

大家さんがアパートの一室を子供夫婦に無料で貸している場合、大家さんはその部分の固定資産税や減価償却費などを必要経費にできるのでしょうか?

所得税法では、必要経費を「・・・総収入金額を得るために直接要した費用・・・所得を生ずべき業務について生じた費用・・・」と規定しています。

つまり、無料で貸している部分の固定資産税、減価償却費などは、家賃(収入)を得るための費用ではないので必要経費にならないということになります。

じゃあ、収入があればいいということで、子供夫婦から1円でも家賃を受け取っていれば必要経費にできるのでしょうか?

通常の契約では、貸している部分の固定資産税にも満たないような家賃の設定はありえません。これは大家さんが借りている子供夫婦の生活を助けるためにそうしていると考えるのが一般的で、家賃を得ることを目的としていないことから、やはり必要経費にはならないと思われます。

少なくとも、貸している部分の固定資産税以上の金額で家賃のやり取りをしないと、その部分の必要経費を計上するのは難しそうです。

また、無料で貸している相手が単に子供である場合など、寝起きの場所が異なるだけで同一生計の場合には、家賃のやり取りはないものとみなされ、居住用部分として固定資産税、減価償却費などの必要経費も計上できません。

ちなみに、空室であっても入居者募集の広告などを定期的に行っていれば、その空室部分の固定資産税や減価償却費は必要経費になります。

国民健康保険料の後納制度

国民健康保険料の「後納制度」は、平成24年10月からの3年間に限って、納め忘れた保険料を最大10年前までさかのぼって納付できる制度です。
この制度が今年の9月をもって終了します(時限措置あり)。

「後納制度」の主な内容は次のとおりです。

対象者

  • 20歳以上60歳未満で、過去10年以内に納め忘れの期間や未加入期間がある人。
  • 60歳以上65歳未満で、上記の期間のほか、任意加入中に保険料の納め忘れの期間がある人。
  • 65歳以上で、年金受給資格がなく任意加入中の人。

納付できる保険料

  • 過去10年以内の未納期間の保険料。

納付できる期間

  • 平成24年10月1日~平成27年9月30日
    平成27年10月1日~平成30年9月30日までは時限措置があります。

社会保険料控除

  • 加算額を含めた全額が支払った年の社会保険料控除の対象。

時限措置により、平成27年9月30日以後もさかのぼって納付することができますが、納付できる保険料が過去10年分から5年分に変更されます。10年前から5年前に未納期間がある人は注意が必要です。

また、よく似た制度で国民健康保険料の「特例追納」がありますが、こちらは年金の不整合期間(本当は1号被保険者であるにもかかわらず、記録上は3号被保険者のままになっている期間)があり、かつ、一定の手続きなどを行った人を対象とするもので、単なる納め忘れの人は対象なりません。

「通常必要と認められる」とは?

税法には「通常必要と認められる」という表現がよく出てきます。
「常識的に考えればわかるでしょ」と言われているようで、税法解釈ではけっこうな曲者です。

贈与税のケースでひとつ考えてみましょう。

シンプルに、

親が子に「生活費」としてお金を贈与した。

というのはどうでしょうか。

まず、生活費には治療費や養育費も含まれます。そして、その「生活費」には贈与税がかかりません。ただし条件があり、その「生活費」が「通常必要と認められる」場合に限られます。

例えば、数年分のお金をまとめて贈与し、実際に使われず預貯金となっていたり、株式や家屋などの購入費用に充てたりしていれば、それは通常必要な「生活費」として認められないので課税しますよ。ということです。

ただ単に「これは私の生活費だ!」と言い張っても意味はなく、実際にどのように使うのか、使われたのかが「通常必要と認められる」かどうかのポイントとなります。

扶養控除等申告書に記入するマイナンバー

平成28年1月からのマイナンバー制度開始により、平成28年分の扶養控除等申告書にはマイナンバーを記入する必要があります。

「扶養控除等申告書」とは、給与の支払を受ける人が配偶者控除や扶養控除などを受けるために作成するもので、税務署への提出義務はありません。
一定期間、給与等の支払者(企業)が保存すればよいことになっており、税務署長からの提出を求められたときだけ提出すればよいものです。

実際に企業が提出を求められることはほとんどないですから、重大な個人情報としてマイナンバーは記入せず、別に管理したいと考える企業も多いのではないでしょうか。

しかし、扶養控除等申告書は従業員が自分ですべて記入することが原則となっているため、申告書からマイナンバーだけ除いて管理することはできないようです。

申告書の回収に適当なカゴなどを使用していた企業は、マイナンバーの漏えいを防ぐため、不特定多数の人の目に触れないよう管理する必要がありますね。

ちなみに平成28年分の扶養控除等申告書は、多くの企業が今年の年末に年末調整関係の書類と一緒に回収することになると思います。マイナンバーもそのときに記入してもらいましょう。

確定申告は動画で解決?

最近は会計ソフトの普及により、簿記の知識が無くても簡単に記帳ができるようになりました。

銀行口座やクレジットカードからの取り込みなど、どこのソフト会社も工夫をこらしていますが、それにしてもクラウドソフトのfreeeは大人気ですね。コミュニケーションのデザインがとても上手です。

寝ている間に帳簿ができてしまうなら、確定申告でわからないポイントだけ調べればいいですね。

確定申告でわからないところも、楽して動画で解決しちゃいましょう。

こちらのを参考にしてみてはいかがでしょうか?

国税庁動画チャンネル
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e-Taxで申告するための事前準備や確定申告作成コーナーの利用方法も紹介されています。

わかりやすいですよ。

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