親族間での家賃と必要経費

大家さんがアパートの一室を子供夫婦に無料で貸している場合、大家さんはその部分の固定資産税や減価償却費などを必要経費にできるのでしょうか?

所得税法では、必要経費を「・・・総収入金額を得るために直接要した費用・・・所得を生ずべき業務について生じた費用・・・」と規定しています。

つまり、無料で貸している部分の固定資産税、減価償却費などは、家賃(収入)を得るための費用ではないので必要経費にならないということになります。

じゃあ、収入があればいいということで、子供夫婦から1円でも家賃を受け取っていれば必要経費にできるのでしょうか?

通常の契約では、貸している部分の固定資産税にも満たないような家賃の設定はありえません。これは大家さんが借りている子供夫婦の生活を助けるためにそうしていると考えるのが一般的で、家賃を得ることを目的としていないことから、やはり必要経費にはならないと思われます。

少なくとも、貸している部分の固定資産税以上の金額で家賃のやり取りをしないと、その部分の必要経費を計上するのは難しそうです。

また、無料で貸している相手が単に子供である場合など、寝起きの場所が異なるだけで同一生計の場合には、家賃のやり取りはないものとみなされ、居住用部分として固定資産税、減価償却費などの必要経費も計上できません。

ちなみに、空室であっても入居者募集の広告などを定期的に行っていれば、その空室部分の固定資産税や減価償却費は必要経費になります。

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