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生命保険金にかかる税金

生命保険契約の満期保険金にかかる税金は、契約者(保険料負担者)と保険金受取人が誰かによって異なります

契約者(保険料負担者)と保険金受取人が同じ場合。

この場合は、本人に所得税(一時所得)がかかります。

計算式は、
{(満期保険金-払込保険料の総額)-50万円}×1/2=所得税(一時所得)の対象

50万円の特別控除があり、さらに控除後の2分の1だけが税金の対象となりますから、かなり有利です。

契約者(保険料負担者)が保険金受取人が異なる場合。

この場合は、保険金受取人に贈与税がかかります。

計算式は、
満期保険金-110万円(基礎控除)=贈与税の対象

満期保険金から110万円のみの控除となりますから、税負担は所得税(一時所得)よりも重たくなります。

生命保険契約の死亡保険金は、通常、相続税がかかります。

契約者(保険料負担者)と被保険者が同じで死亡した場合。

相続税の対象となりますが、非課税枠があります。

計算式は、
500万円×法定相続人数=非課税となる金額

非課税枠は法定相続人が多ければ多いほど有利になります。

まとめると、

  • 自分が保険料を払い込んで、自分が保険金をもらう。・・・所得税がかかる(投資の意味合いが強い)。
  • 自分が保険料を払い込んだのに、自分がもらえない場合。
    • 自分が生きている。・・・贈与税がかかる(死んでいないので相続ではない)。
    • 自分が死んでしまった。・・・相続税がかかる(死んでしまったので相続)。

例外もありますが、こんな感じで覚えておくとよいでしょう。

株式会社を設立するには?

株式会社を設立するための手続きをまとめてみました。

  1. 会社概要の決定
    発起人(株主)、役員、商号、事業目的、決算期、資本金の額などを決めます。
  2. 類似する商号、事業目的のチェック
    設立する会社の本店所在地を管轄する法務局でチェックします。
  3. 印鑑の作成
    会社代表者印(会社の実印)を作成します。
  4. 定款の作成
    会社の根本規則(基本的な決まり事)を記載した書類を作成します。
    必ず記載しなければならない規則があります。
  5. 定款認証
    同一都道府県内の公証役場で、作成した定款の認証を行う必要があります。
    3通必要で、収入印紙代4万円、手数料5万円、謄本代250円×枚数
    発起人の印鑑証明1通、公証人役場へ行く人の実印、委任状
    電子定款認証の場合には、収入印紙代4万円が不要になります。
  6. 資本金の払い込み
    定款で決めた資本金(定款に記載した出資額と同額)を出資者の名義で払い込みます。
    自分名義の口座に自分名義で振込みます。
    必要なコピーをとり、払込証明書を作成し、会社代表者印を押します。
  7. 登記申請
    資本金を払い込んだあと、2週間以内に法務局へ登記の申請をします。
    会社設立日=登記申請日となります。
  8. 税務署や年金事務所などへの届出
    税務、労務に関する届出を行います。

1~8の順に、こんなところでしょうか。

10万円節税するのにどれだけかかるか?

所得税や法人税は、課税所得(もうけ)に対して税金がかかります。

その課税所得(もうけ)が500万円ぐらいだとして、
法人も個人事業主も、だいたい110万円前後の納税になります(※かなりざっくりとした概算ですよ)。

例えば、そのうち10万円を節税しようとしたら、どれくらいの支出(経費)が必要なのでしょうか?

法人が、法人税(法人県民税・市民税などを含む)を10万円減らそうとする場合、

10万円÷実効税率23%=約43万円の支出が必要です。

つまり10万円の税金は減らせても、43万円の現金は無くなってしまうわけです。

個人事業主が、所得税や個人住民税を10万円減らそうとする場合、

10万円÷税率30%=約33万円の支出が必要です。

同じように、33万円の現金は無くなってしまうわけです。

当然の話ですが、節税額の倍以上のお金が必要なんですね。

また、建物や車両などの固定資産への支出は、全額を経費にするには時間がかかります。
例えば、社用車なら減価償却により4年~6年ぐらいかけて、やっと全額が経費になります。
つまり大きな投資したからといって、単年度の節税効果はそれほどでもないということです。

自分が支払う多額の税金を知ってしまうと、冷静でいられなくなる気持ちはよくわかります。
将来的に会社に必要な支出で節税できるなら、何の問題もありませんし、むしろ支出すべきです。
ですが、税金を怖がるあまり、無駄なものをたくさん購入してしまい、結果としてお金が無くなり、事業も苦しくなっては本末転倒です。
そもそも自分の生活を豊かにするために働いているわけですから、節税を意識しすぎるあまり、事業や生活に意味のないお金の投資に注意したいですね。

開業前の経費はどうしたらいいの?

個人事業主で、開業日までにかかった費用は、開業費として結果必要経費になります。

開業費は文字どおり開業のときにしか出てこないもので、計上方法などのポイントをいくつか。

  • この開業費は繰延資産とよばれるもので、いったん全額資産に計上します。
    その後、通常は決算で全額償却(必要経費)します。
    また、開業年に全額償却しないで、一部を翌年以降に償却することもできます。
  • 開業からどれくらい前までなら開業費として認められるのでしょうか?
    期日は特に決められていませんが、3年前というのはさすがに無理です。おおよそ1年ぐらい前までなら大丈夫でしょう。
  • 開業前の費用は、個人のお金で支払っている場合が多いです。まだ会社の現金はこれだけ、と決めていない場合も多いでしょう。
    そうすると「現金」という勘定科目が使えない場合もあります。

    • 開業費がある程度まとまった金額になった場合には、
      開業日に、資産:「開業費」と、資本:「元入金」で計上しましょう。
    • 少額(おおよそ10万円未満)の場合には開業費として計上しないで、
      費用:「旅費交通費」や「通信費」などの一般的な科目と、負債:「事業主借」で計上しても問題ないと思われます。
  • 開業費の中に10万円以上の減価償却資産(附属設備、機械、備品など)がある場合には、開業費に含めてはいけません。
    資産に計上し、減価償却により減価償却費(必要経費)を計上します。

ざっとこんな感じでしょうか。

その領収書に印紙税はかかるの?

一般に「領収書」は、第17号の1文書「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当します。
1、記載された受取金額が5万円未満である。

印紙税は非課税となります。

2、銀行口座で受け取った売上代金について、「領収書」を交付した。

銀行口座で受け取っても、その領収書は「金銭を受け取った事実を証明する目的」で作成しているので、印紙税がかかります。

3、クレジットカードで販売した売上代金について、「領収書」を交付した。

信用取引により商品を引き渡すだけなら、その領収書は「金銭を受け取った事実を証明する目的」で作成していないので、印紙税はかかりません。
ただし、「クレジットカード利用」などとその旨を記載する必要があります。

4、「領収書」をPDF形式などにより、電子メールで送信した。

PDF形式などにより電子メールで送信しても、その領収書は「印紙税法に規定する文書」ではないため、印紙税はかかりません。

5、「領収書」をFAXで送信した。

FAXで送信しただけでは、その領収書は「現物を交付する目的」で作成したとは言えないため、印紙税はかかりません。
ただし、その領収書の現物を、後日相手に交付する目的で作成した場合には、印紙税がかかります。

上記の例から「領収書」として交付しても、
  • 「金銭を受け取った事実を証明する目的」で作成しなければ、印紙税はかからない。
  • 「印紙税法に規定する文書」でなければ、印紙税はかからない。
  • 「現物を交付する目的」で作成しなければ、印紙税はかからない。

ということになります。

印紙を貼り忘れると、本来納付すべき印紙税(貼り忘れた印紙代)と、その印紙税の2倍の金額が過怠税として徴収されます。
また、消印しなかった場合にも、消印しなかった金額と同額の過怠税が徴収されます。

5万円の印紙を貼り忘れると結果15万円かかることになります ・・・。

よくよく注意しましょう(もうなんでもメールでやりとりする時代ですし、印紙税は廃止したほうがいいんじゃないかな)。

同一生計親族に支払う家賃など

所得税の規定でいまいちピンと来ないのが、所得税法56条の「親族が事業から受ける対価の取扱い」です。

この規定によると、居住者(事業主)が同一生計の親族に支払う給与、賃借料、支払利息などは必要経費にならず、同一生計の親族側が給与、賃借料、支払利息などの支払を受けても、その収入(受取り)はないものとみなされます。
また、同一生計の親族が居住者の事業のために支払う賃借料、保険料、固定資産税や、居住者の事業に使用した同一生計の親族が所有する資産の減価償却費、資産損失などは居住者の必要経費になります。

ただし、給与については所得税法57条に例外規定があり、白色申告者は一定額まで、青色申告者は税務署に届け出ていれば適正額を必要経費にできます。

なんでこんなメンドクサイことをするの?と思うのが普通です。

配偶者や子が事業を手伝い、父母のお金や所有する建物を借りて事業を営むことは何ら不思議なことではなく、その対価である給与、賃借料、支払利息などを素直に必要経費とできれば済む話ですよね。

所得税の課税は、所得(もうけ)が一定額を超えると、その超えた部分により高い税率を適用する超過累進税率により行われます(例外あり)。ですから、実際にはまったく働いていないにもかかわらず親族に給与を支払ったことにしてしまえば(ダメですよ)、家族内で所得を意図的に分散させることができ、家族単位では納税額を少なくすることができてしまうので、この56条の規定はそのようなことを防ぐためだと言われています。

ですが、この56条の規定は昭和23年改正からあるもので、昔と今とでは家族形態も大きく変化しています。
さらに57条の「事業に専従」していないと給与として認めないというのは、現在の男女共働きの世の中、普段は他の会社の社員、パート、アルバイトとして働き、空いた時間に家業の総務や経理などをしても、その家業の労働の対価はないと言っているわけで、現代の労働の価値感するとおかしな感じがします。

ちなみに、同一生計の親族(生計を一にする親族)とは、居住者と「生活の資を共にする親族」という意味で、基本的に同じ家屋に起居してたり、居住者が仕送りなどをしないと生計が立てられない親族のことをいいます。ですから自立して別々に住んでいる親族の場合には、56、57条の規定は適用されません。

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