会社

株式会社の役員変更手続

手続前の確認事項

1、必須機関

・取締役(1名以上)及び株主総会

2、機関の設置

・取締役会、監査役、監査役会、会計参与等の設置には、定款の定めが必要

3、取締役会

・公開会社は、取締役会の設置が必要
・取締役会設置会社は、取締役3名以上、監査役1名以上必要

4、任期

・非公開会社は、最長10年まで任期の伸長が可能
・公開会社は、取締役2年、監査役4年

変更手続の注意点

1、取締役辞任

・取締役の辞任届で登記が可能
・取締役が代表者の場合、実印の押印+印鑑証明書が必要

2、取締役の死亡

・死亡を証する戸籍、住民票の除票、死亡届の添付が必要

3、取締役の追加

・取締役会非設置会社の場合、就任承諾書への実印の押印+印鑑証明書が必要
・取締役会設置会社の場合、住民票等の本人確認資料が必要

4、代表取締役の変更

・代表者が取締役も退任する場合、取締役全員の印鑑証明書が必要
・新任代表取締役は、会社の印鑑の届出が必要
・互選により代表取締役を選定する場合、定款の添付が必要

5、代表取締役の住所変更

・住民票の添付は不要、ただし正確な住所(住民票の記載)の確認が必要

6、就任承諾書

・本人確認のため、新任役員の住所の記載が必要

7、本人確認資料の添付

・取締役、監査役、執行役の就任による変更登記に必要
・就任の承諾を証する書面に記載した氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている住民票等が必要

8、監査役の監査の範囲

・定款に監査役の監査の範囲を限定する定めがある等の場合、その定めの登記が必要

株式会社の設立手続

手続前の確認事項

・設立(成立)予定日
・完了希望日(謄本取得希望日)

・商号、目的、本店所在地
・決算期

・発起人の住所、氏名
・設立時役員の住所、氏名
・機関構成(取締役会を置くなど)
・出資金額
・発行可能株式総数、設立時発行株式数
・株式の譲渡制限の有無、承認機関
・1株当たりの払込金額
・払込先口座(発起人の口座)
・現物出資の有無
・完了後の謄本、印鑑証明書の通数

具体的な手続き

1、商号の調査など

・類似商号の調査
・個人印鑑証明書の取得の依頼

2、定款の作成

・会社印鑑の作成

3、書類押印

・発起人の実印、印鑑証明書が必要
・代表取締役の実印、印鑑証明書が必要
・取締役の本人確認証明書が必要(印鑑証明書が添付書面となる場合は不要)

4、定款認証

・設立する会社の本店所在地を管轄する公証人役場にて行う

5、出資金の払込

・定款認証日以降に払込
・払込を証する書面に押印

6、設立登記申請

・申請日=会社設立日

7、登記完了

・申請後1週間~10日で完了
・謄本取得
・印鑑カード、印鑑証明書取得

会社設立後の役員報酬の決め方は?

会社設立後の役員報酬の決め方です。

会社設立後、役員報酬を決めるときのポイント
  1. 会社設立の日から3ヵ月以内に株主総会を開いて決めます。
  2. 次の株主総会まで、毎月所定の時期に定額を支払うことになります。
  3. 年間の売上高や諸経費、会社の経営に最低限必要な資金を予測して決めます。
年間の売上高や諸経費の予測

上記のポイントのうち3番目が難しく、とりあえず会社を設立したものの、取引先との関係はこれからで、年間の売上高などの予測がうまくいかない場合も多いです。
ですが、一度役員報酬を決めたら、基本的に次の株主総会で改定するまで、毎月同じ金額を支払っていくことになります。
期中に増額や減額をしてもかまいませんが、経費として認められない部分が出てきます。

法人税法上の取扱い
  • 多額の黒字になりそうなので、期中に報酬額を増額した場合、増額する前とした後の差額は、経費として認められない。
  • 多額の赤字になりそうなので、期中に報酬額を減額した場合、減額する前とした後の差額は、経費として認められない(著しく資金繰りが悪化した場合などを除く)。

つまり、役員報酬を適当に決めると、その後、節税しようにも無理が生ずることになります。できれば、税理士などの専門家とよく相談し慎重に決めましょう。

会社が倒産した場合、社長は借入金を返済しなくてもいい?

会社が倒産した場合、社長は借入金を返済しなくてもいいのでしょうか?

答えは何となく予測できますが、個人事業主と比較するとわかりやすいです。

返済できなくなった借入金

個人事業主の場合

事業用の財産でも個人が所有している財産で、事業用の債務でも個人が負っている債務です。
個人事業主も個人も人格は同じなので、区別はできません。

事業用の借入金を、事業用の財産で弁済できなければ、事業用以外の個人財産も弁済に充てなければなりません。
法律上は債務の全額に対して責任を負うことになっているからです。
倒産したからといって、事業用の借入金がチャラになるわけではありません。
このことを無限責任または直接責任といいます。

会社(合名会社・合資会社・合同会社・株式会社)の場合

事業上の財産は会社が所有している財産で、事業上の債務は会社が負っている債務です。
オーナー社長でも、社長個人の財産・債務とは明確に区別されます。

会社の借入金を、会社の財産で弁済できず倒産した場合、会社の種類によって責任が異なります。

  • 合名会社・合資会社
    合名会社・合資会社のうち無限責任社員は、個人事業主と同じく債務の全額に対して責任を負うことになります。
    無限責任または直接責任となります。
  • 合同会社・株式会社
    株主などの出資者が、会社に出資したお金(出資金)の範囲内で弁済することになっていますので、出資したお金は消えてしまいますが、それ以上責任を負うことはありません。
    このこと有限責任または間接責任といいます。

しかし、中小企業が金融機関からお金を借りるときは、多くの場合、社長の個人保証を求められます。
個人保証がある場合には、会社が倒産しても社長個人の財産で弁済を続けなければなりません。
合同会社・株式会社でも中小企業のオーナー社長は、事実上、無限責任を負っているといっていいでしょう。

法人成りのご相談で思うこと。

「個人事業でいくらぐらい稼いだら、法人成りしてもいいの?」

とのご相談をよく受けます。

「好きな時に、ご自由に。」とは言えません。主に節税面からのご相談ですからね。

まず「稼ぐ」ですが、おそらく「収入(売上)」と認識されていると思いますので、それを「所得(もうけ)」に改めなければなりません。
所得税や法人税は、収入ではなく所得に対して課される税金だからです。
ちなみに、個人事業主の所得は、収入金額-必要経費で計算されます。

では、その所得がどのくらいのラインなら、法人成りしてもよいのでしょうか?

税理士によって回答が違います。

  • 100~200万円ぐらいと答える税理士ははまずいないでしょう。
  • 300~400万円ぐらいと答える税理士は意外といます。
  • 500~600万円ぐらいと答える税理士はかなりいると思います。私もここです。
  • 700~800万円ぐらいと答える税理士も多いでしょう。
  • それ以上と答える税理士もいます。

どれが正しいのでしょうか?

「正直、わかりません・・・。」
そもそも、この中に正解があるなら、いきなり法人開業すること自体が間違いということになってしまします。
そんなことは決してありません。

私が500~600万円のラインだと思うのも、独自のモデルケースを持っているからに他なりません。
そのモデルケースは、当然税理士によって違います。
専門家でも意見が分かれるのは、想定する企業のモデルが異なるからです。

私の場合「まず一般的な例によると・・・・」と持論をご説明し、
お客様のお話を伺っていく過程で、回答をその都度補正していきます。
持論はあくまで相談の出発点に他ならず、押し付けても意味がありません。
お客様が「よし、それなら法人化してみよう!」とか、「いや、今はまだ時期尚早かな。 」
と決断できることが重要だと考えます。

非常勤役員について。その1

非常勤役員についてまとめてみました。その1

非常勤役員の取扱い

税法、会社法ともに非常勤役員の取扱いについて明確な規定はありません。
給与規定もあいまいです。

常勤役員と非常勤役員の違い

いずれも会社から経営を「委任」されています。
法律上、両者を区分する明確な基準はなく、実態上、経営を行っているか否かで判断します。

出社日数と勤務時間の制限

非常勤役員について、出社日数に規定はなく、勤務時間の制限などの規定も定められていません。

非常勤役員になれない人

会社法では、破産した人などは取締役になれないと規定しています。また、物理的に経営に関われない人は難しいと思われます。

非常勤役員へ給与を支払う根拠

会社にあまり来ない非常勤役員へ給与を支払う根拠は、経営への関与や会社にいることで信用性が高まるなどの理由が挙げられます。

給与の決め方などは次回に。

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