税理士の仕事は、一応、税理士法という法律に
「税理士は、・・・申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」
といった感じで書かれています。
お堅い法律ですが、この中の「申告納税制度の理念にそって」の部分が理解できないと、正直何やってるのかわからなくなるんですよね。
上の条文を私なりに要約すると、(お客様自身が)自分で課税標準と税額を計算し納付する制度(申告納税制度)にそって、税金を必要以上に多く納めすぎたり、少なく納めたりすることがないよう、サポートする。
これが本来の税理士の仕事だと思います。
「自分で課税標準と税額を計算できるようになったら、税理士の仕事が無くなってしまうけどそれでいいの?」
と思われるかもしれません。
ずばり、本当にできるようになったのなら、それでいいんだと思います。
顧問料をもらえなくなるのは悲しいですけどね。
最近は会計ソフトの発達により、とりわけ所得税については税理士を頼らずとも、ある程度正確な決算書・申告書が作成できるような環境が整いつつあります。まだまだ甘い面もありますが。
国民の「納税の義務」を本人だけで完結できるなら、それは社会全体にとっていい方向に決まっています。
そういう流れの中で仕事が無くなるからといって、決算や申告を専門領域として無理にブラックボックス化すると、逆に信用を失うことになるような気がするんですよね。
特に個人事業主のお客様には、何から何まで引き受けるのではなく、極力わかりやすく説明して、自分でできるようになったことをありがたがってもらったほうが、仕事にも付加価値を付けやすくなるんじゃないかなと思います。
長くなりましたが、もう少し続きます。