事業所得
事業所得とは、卸売業、小売業、農業、製造業、サービス業などの事業から生ずる所得のことです。
事業所得の計算方法
- 計算式
事業所得=総収入金額-必要経費 - 総収入金額
売上高、空き缶などの売却収入など(事業付随収入)。 - 必要経費
売上原価、その事業の販売費及び一般管理費など。
事業所得になるもの
- 卸売業、小売業、農業、製造業、サービス業などの事業から生ずる所得。
- 仕入などにともなって取得した空き缶、空き瓶、空き箱などの売却収入。
- 従業員宿舎の使用料収入。
- 事業の遂行上取引先または使用人に対して貸し付けた貸付金の利子。
- 事業用資産の購入にともなって景品として受ける金品。
- 少額の減価償却資産や一括償却資産の譲渡による所得。
事業所得にならないもの
- 事業として行う不動産の貸付けによる所得。
・・・不動産所得 - 事業用資金の預金利息。
・・・利子所得 - 取引先の株式や事業用資金で取得した株式の利益の配当。
・・・配当所得 - 保有期間が5年を超える山林を伐採し譲渡した所得。
・・・山林所得 - 事業用固定資産(店舗など)の譲渡による所得。
・・・譲渡所得
必要経費になるもの
- 売上原価、事業所得の総収入金額を得るために直接要した費用。
- その年中の販売費および一般管理費。
- 事業所得を生ずべき業務に生じた費用。
- 未払いの費用であってもその年に債務が確定しているもの。
- 支払った日から1年以内にサービスの提供を受ける短期の前払費用。
商品販売の売上原価
売上原価=期首商品棚卸高(1月1日の棚卸高)+仕入金額(本年の仕入高)-期末商品棚卸高(12月31日の棚卸高)
主な必要経費
- 青色事業専従者給与または事業専従者控除。
- 従業員の給与、賞与。
- 従業員の福利厚生費。
- 広告宣伝費
- 外注費
- 荷造運賃
- 同業者団体の会費。
- 商品や店舗の損害保険料。
- 事業税
- 税込経理の消費税。
- 貸倒損失
- 事業用固定資産の損失。
- 青色申告者の引当金など。
家事関連費
家事関連費とは、併用住宅の電気、ガス、水道、電話、地代、家賃などで家事用と業務用が混在する費用のことです。
家事関連費のうち必要経費になる部分
- 全体のうち業務に必要な部分が必要経費になります。
- 全体を業務に必要な部分とそうでない部分とに区分します。
- 業務に必要な部分は全体の50%以下になってもよい。
- 必要な部分の金額は面積割合などの合理的な方法で計算します。
- 計算根拠は必ず保存します。
主な家事関連費
- 電気、ガス、水道の使用料。
- 電話の使用料。
- 交際費
- 交通費、ガソリン代
- 減価償却費
- 修繕費
- 地代、家賃
- 消耗品費
- 固定資産税、自動車税など。
- 印紙代、登録免許税、不動産取得税など。
- 自動車保険料、損害保険料など。
- 借入金の利子。
※業務用資産の購入にともなう借入金の利子は、業務開始前ものは取得価額に含め、業務開始後ものは必要経費になります。
家事費
家事費とは、家計費、生活費などで必要経費になりません。
必要経費にならないもの
- 同一生計親族に支払った給与。
その親族が受け取った給与もないものとみなします。
ただし、青色事業専従者給与は必要経費になります。 - 同一生計親族が所有する土地、建物を借りて商売をしている場合のその親族に支払った地代、家賃。
その親族が受け取った地代、家賃もないものとみなします。
ただし、その親族が支払った土地、建物の固定資産税、建物の修繕費、損害保険料などは必要経費になります。
また、同一生計親族が所有する建物を無償で使用していても、その建物の減価償却費、資産損失などは必要経費になります。 - 家族から事業用資金を借りた場合のその親族への支払利息。
- 家事費、家計費、生活費。
- 所得税、住民税、相続税、贈与税。
- 国民健康保険料、国民年金保険料、国民年金基金の掛金、事業主個人の生命保険料、住宅の損害保険料。
- 医療費
所得控除の対象になります。 - 交通違反の罰金、税金の延滞税、加算税。
- 住宅ローンの利子。
- 親族との食事代、旅行費用。
- ロータリークラブの会費など。
- 所得補償保険の保険料。
- 事業用資産を保険目的とする損害保険料のうち積立保険料部分
掛捨て保険料部分は必要経費になります。 - 減価償却資産の資本的支出。
収益的支出は必要経費になります。