所得って何ですか?

何の気なしに「これは〇〇所得ですから、税金は・・・。」と説明していると、
「所得って何ですか?」とたまに聞き返されたりします。

「もうけのことですよ。」と答えると、
「ああ、利益のことね。」と納得されます。

すみません、説明不足でした・・・。ちょっと違います。

では、「利益」と「所得」はどこが違うのでしょうか?
国語的には同じような意味ですが、会計や税法の世界では、
「利益」は「会計上のもうけ」のことで、「所得」は「税法上のもうけ」のことです。

じゃあ、「会計上のもうけ」と「税法上のもうけ」はどこが違うのでしょうか?

個人企業で考えてみましょう。

「会計上のもうけ」は、簿記でおなじみの「収益」-「費用」で求めます。
この「収益」と「費用」は、実は企業独自の判断でもある程度OKだったりします。

「税法上のもうけ」は、「収入金額」-「必要経費」で求めます。
この「収入金額」と「必要経費」は、法律でおおよそ決まってしまいます。

だんだん「所得とは?」の答えに近づいてきました。

独自に判断する「収益」の範囲と、法律で判断する「収入金額」の範囲、
独自に判断する「費用」の範囲と、法律で判断する「必要経費」の範囲が異なるので、
みなさん「これは売上になりますか?」あるいは「これは経費になりますか?」と税理士に聞くわけです。

税金はみんなに公平でなければなりません。
つまり、独自の判断ではなく、法律によりみんなの税負担が公平になるように計算した「利益」が「所得」です。
まぁ、法律をよく知れば、自分だけ他の人よりも所得を減らすことが可能かもしれませんが・・・。そこは専門家の出番でしょうね。