税金

不動産に関する税金その3

不動産に関する税金をまとめてみました。その3

贈与税(暦年贈与)

  • 財産の贈与を受けた人が支払う国税です。
  • 個人間の贈与に限られ、法人からの贈与は所得税の課税の対象です。
  • 毎年1月1日から12月31日までの間に贈与によって取得した現金、預貯金、株式、不動産などが贈与税の課税の対象です。
  • 受取人以外が保険料を支払っていた生命保険金や時価より著しく低い価額の財産の譲り受け、不動産の名義変更なども贈与税の課税の対象です。
  • 贈与税は相続税と密接な関係にあり、税率は10%~55%と同じですが、税率の刻みが相続税よりも急なため、一般的に税額は相続税よりも高くなります。
  • 贈与税の控除には、年間110万円の基礎控除や婚姻期間が20年以上の配偶者間で居住用不動産などの贈与があった場合の2,000万円控除(配偶者控除)などがあります。
  • 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに申告と税額の納付を金銭で行います。

贈与税(相続時精算課税)

  • 受贈者が、従来の暦年単位の贈与税制度に代えて、贈与税と相続税を通じた納税制度を選択できる仕組みです。
  • 贈与者は、60歳以上の父母または祖父母、受贈者はその年の1月1日現在で20歳以上の子または孫です。
  • 受贈者は、贈与者ごとに相続時精算課税を選択できますが、一度選択したら取り下げることができません。
  • 2,500万円の特別控除額に達するまでの贈与は非課税ですが、贈与を受けた財産はすべて相続財産に加算され、相続時に精算されます。
  • 受贈者は、この制度を選択しようとする最初の贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に相続時精算課税を選択する旨の届出が必要です。
  • 贈与税の特別控除額(非課税枠)内の贈与でも、贈与税の申告が必要です。

住宅取得等資金の贈与の特例

  • 住宅取得等資金とは、一定の住宅用家屋の新築、取得または増改築などの対価に充てるための金銭をいいます。
  • 相続時精算課税は、60歳以上の父母または祖父母からの贈与が適用対象となりますが、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例により、一定の要件を満たす住宅取得等資金の贈与については、贈与者の年齢要件はありません(60歳未満の父母または祖父母からの贈与も相続時精算課税の適用対象となります)。
  • 平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、新築などをする住宅用家屋の省エネ、耐震性、高齢者への配慮性の有無に応じて、一定の金額まで贈与税を非課税とする特例(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度)があります。
  • 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税は、暦年贈与、相続時精算課税を問わず適用を受けることができます。

次回で最後です。

不動産に関する税金その2

不動産に関する税金をまとめてみました。その2

固定資産税

  • 土地、家屋、償却資産(固定資産)に、毎年かけれらる市町村税です。
  • 毎年1月1日現在、市町村の固定資産台帳に所有者として登録されている人にかかります。
  • 土地、家屋の固定資産税評価額は、3年に一度評価替えされます(次回は、平成30年度)。
  • 納税は、毎年市町村長から送られてくる納税通知書により、年4回に分けて銀行などで納付します。
  • 納期は、原則として、4月、7月、12月、2月で、自治体や年度によって異なる場合があります。

都市計画税

  • 都市計画事業や土地区画整理事業にかかる費用の一部に充当するため、市町村が課す地方税です。
  • 市街化区域内の土地、家屋が課税の対象です。
  • 固定資産税評価額を基準として、税額を算出します。
  • 固定資産税と一緒に送られてくる納税通知書により、併せて納付します。

譲渡所得

  • 土地や家屋などを譲渡して得られる利益(値上がり益)を譲渡所得といいます。
  • 個人が不動産を譲渡した場合には、その所得と他の所得を分離して、所得税と住民税が課されます。
  • 税額を計算する場合には、収入金額そのものではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いた残り(譲渡益)が課税の対象です。
  • 譲渡の内容により、各種の軽減措置があります
    ・居住用財産の3,000万円特別控除
    ・居住用財産の軽減税率
    ・特定居住用財産の買換えの特例

まだまだ続きます。

不動産に関する税金その1

不動産に関する税金をまとめてみました。その1

印紙税

  • 契約書、領収書、手形などに文書を作った人が収入印紙を貼り、消印して納める国税です。
  • 印紙税のかからない文書に収入印紙を貼ってしまった場合、定められた金額以上の収入印紙を貼ってしまった場合には、税務署で一定の手続きを行うことで返還してもらえます。
  • 印紙税を納めなかった場合には、本来の印紙税額の3倍の過怠税がかかります。
  • 文書に貼った収入印紙を消印しなかった場合には、消印しなかった金額と同額の過怠税がかかります。

登録免許税

  • 不動産の登記などを行う場合にかかる国税です。
  • 登記の種類によって、税率が異なります。
  • 一定の土地、家屋については、軽減措置があります。
  • 表題登記には課税されません。

不動産取得税

  • 土地や建物などの不動産を取得した者に対して、都道府県が1回限りで課す地方税です。
  • 登記申請後、都道府県税事務所などから送られてくる納税通知書により、銀行などで納付します。
  • 不動産の取得には、売買によるものだけではなく、家屋の建築、増改築、不動産の交換や贈与(死因贈与も含みます)も含まれます。
    ただし、相続(相続人に対する遺贈を含みます)や法人の合併のように形式的な移転の場合には非課税です。
  • 宅地および宅地比準地には、課税標準の特例措置が設けられています。
  • 一定の条件を満たす家屋および住宅用地には、課税標準の特例および税額の軽減措置が設けられています。

まだありますが、続きはまた次回に。

所得って何ですか?

何の気なしに「これは〇〇所得ですから、税金は・・・。」と説明していると、
「所得って何ですか?」とたまに聞き返されたりします。

「もうけのことですよ。」と答えると、
「ああ、利益のことね。」と納得されます。

すみません、説明不足でした・・・。ちょっと違います。

では、「利益」と「所得」はどこが違うのでしょうか?
国語的には同じような意味ですが、会計や税法の世界では、
「利益」は「会計上のもうけ」のことで、「所得」は「税法上のもうけ」のことです。

じゃあ、「会計上のもうけ」と「税法上のもうけ」はどこが違うのでしょうか?

個人企業で考えてみましょう。

「会計上のもうけ」は、簿記でおなじみの「収益」-「費用」で求めます。
この「収益」と「費用」は、実は企業独自の判断でもある程度OKだったりします。

「税法上のもうけ」は、「収入金額」-「必要経費」で求めます。
この「収入金額」と「必要経費」は、法律でおおよそ決まってしまいます。

だんだん「所得とは?」の答えに近づいてきました。

独自に判断する「収益」の範囲と、法律で判断する「収入金額」の範囲、
独自に判断する「費用」の範囲と、法律で判断する「必要経費」の範囲が異なるので、
みなさん「これは売上になりますか?」あるいは「これは経費になりますか?」と税理士に聞くわけです。

税金はみんなに公平でなければなりません。
つまり、独自の判断ではなく、法律によりみんなの税負担が公平になるように計算した「利益」が「所得」です。
まぁ、法律をよく知れば、自分だけ他の人よりも所得を減らすことが可能かもしれませんが・・・。そこは専門家の出番でしょうね。

マイホームを売却した場合の3,000万円の特別控除

居住用財産の3,000万円の特別控除のQ&Aを作成してみました。

単身赴任で、本人は社宅に、家族は自宅に住んでいる場合、自宅の売却益に特別控除は使えるか?
使えます。単身赴任の場合には本人が自宅に住んでいなくてもOKです。
ただし、社宅(賃貸)ではなく、単身赴任先で住宅を所有し住んでいる場合には、主に住んでいる方が特別控除の対象になります。
自宅を建て替えるため、所有するマンションに引っ越して長期間住んでいた場合、マンションの売却益に特別控除は使えるか?

使えません。建て替え中に住む住宅は生活の本拠ではなく、長期間(1年以上)住んでいても特別控除は使えません。
同様の理由で、趣味、娯楽、保養目的の別荘などに住んでいても特別控除は使えません。
同一生計ではない兄に自宅マンションを売却した場合、マンションの売却益に特別控除は使えるか?
使えます。兄弟姉妹については、売却前も売却後も同一生計でなければ(一緒に住んでいなければ)OKです。
なお、配偶者、親、子、孫などに売却した場合には、同一生計でなくても(一緒に住んでいなくても)特別控除は使えません。
自宅兼店舗を売却した場合、特別控除は使えるか?
使える場合と使えない場合があります。
家屋と敷地のおおよそ90%以上の部分が自宅(居住用)の場合、家屋と敷地の全体に特別控除が使えます。
そうでない場合、自宅(居住用)部分には特別控除を使えますが、店舗(事業用)部分には使えません。

ちょっと判断が難しそうケースで作成してみましたが、どうでしょうか。
3,000万円の特別控除は金額的にも大きいので、控除を受ける年分の確定申告を忘れないように注意しましょう。

どこまでが経費になるのか?

法人、個人問わず、税理士がよくされる質問に「どこまでが経費になるのか?」というのがあります。

ざっくりとした、抽象的な質問で「遠足のおやつはいくらまで?」と聞かれているような気がしますが、みなさん一番関心があるところなので・・・。

私はとりあえず「収入を生み出すために必要だった支払いが経費です。金額は決まっていません。」と答えます・・・。

・・・この時点で減価償却費が含まれていないことに気付いた人はさすがです。当然、減価償却費は経費になります。
また、この言い方だと、経費にならない土地の購入費用なども含まれてしまいます。
やはり一言で答えるのは無理がありますね。

個人事業主の場合、他にも、

  • 支払った金額の一部しか経費にならないものもあります。
    ・・・自宅兼事務所の地代家賃、電気代などの支払い。
  • 支払った相手によって、経費にならないものもあります。
    ・・・同一生計親族への地代家賃などの支払い。
  • 自分が支払っていなくても、経費になるものもありあます。
    ・・・同一生計親族から借りている建物の固定資産税や減価償却費など。

「事業主の昼食代は経費になりませんよ。」と言ったところで、取引先との会議も兼ねていれば経費になります。
どこまでいっても個別の回答、ケースバイケースになるんですね。

あえて一つの基準を設けるなら、「はたしてこの支出は、収入(売上)を生み出すために必要なものだったのか?」を考えてみてはどうでしょうか。

意外とすっきり判断できるものですよ。

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