税金

法人税の実効税率

法人税の実効税率についてまとめてみました。

実効税率は次のとおりです。

※3月決算で、東京都23区の法人を前提としています。
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※1 住民税、事業税の超過税率を適用、事業税の軽減税率不適用法人として計算しています。
※2 住民税、事業税の超過税率を不適用、事業税の軽減税率適用法人として計算しています。

実効税率の算式は次のとおりです。

実効税率=A/B


  • 法人税率×(1+住民税率+地方法人税率※1)+事業税率+事業税率※2×地方法人特別税率

  • 1+事業税率+事業税率※2×地方法人特別税率

※1 平成26年10月1日以後開始事業年度より地方法人税が課税されます。
※2 標準税率を用いています。
※3 住民税の均等割、事業税の資本割・付加価値割は計算に含まれていません。

中小会社においては、実効税率は主に納税予測に使用しますので参考にしてください。

非常勤役員について。その2

非常勤役員についてまとめてみました。その2

非常勤役員に対する給与の決め方

税法上、非常勤役員に対する給与の決め方について、具体的な基準はありません。
実務上は、以下のとおり取り決めます。

形式基準

「株主総会等」で役員給与の支給限度額が定められており、加えて、「給与規定」で非常勤役員に対する支給基準が定められている。

実質基準

会社の主要な業務執行や意思決定に関与しているか否かが判断基準として重要になります。

  • 取締役会等に出席する。
  • 人事権を持っている。
  • 得意先・仕入先の選定権を持っている。
  • 銀行交渉や重要な契約の決定権を持っている。

会社法上の役員の人数を満たすために、代表者の家族、親戚、知人を非常勤役員に就任させた場合には、原則、無報酬です。
支給するとしても名目的な金額が無難です。

役員(常勤・非常勤)の給与が高すぎると税務署から指摘される場合

法人税法では、以下の基準によって判断され、高すぎると認定されれば部分的に経費(損金)とはなりません。

実質基準

個々の役員に支給した給与の額が、次の要素からみて多すぎる場合

  • 職務内容や出勤日数
  • 会社の収益状況
  • 使用人の給料の支給状況
  • 事業規模が同程度の同業他社の役員給与の額
形式基準

議事録により定められている「役員給与の支給限度額」が、「実際の支給額」より少なかった場合には、その「役員給与の支給限度額」を超えた部分については、高すぎる役員給与となります。
役員給与の総額のうち、非常勤役員の給与が高すぎるか否かは、会社における非常勤役員の職務の内容や他の非常勤役員とのバランスなどにより判断することになります。

以上、給与についても、税法上は非常勤役員も常勤役員も同様の取扱いとなります。

源泉徴収と年末調整と確定申告

源泉徴収と年末調整と確定申告の関係をまとめてみました。

源泉徴収

サラリーマンなどの給与所得者は、毎月の給料を受け取る段階で所得税が天引きされます。
このことを「源泉徴収」といいます。

年末調整

その毎月の給料から「源泉徴収」された所得税の年間総額と、正しく再計算した所得税の年税額との間には、通常ズレが生じます。
結婚した相手が専業主婦の場合や、生命保険や地震保険に加入した場合などは、大きくズレることもあります。
そこで「年末調整」という方法により、そのズレを解消し所得税の過不足額を精算します。

年末調整で行う配偶者控除や扶養控除などの対象となるかどうかは、年末の時点で判定します。
ですから、その年に結婚した相手が専業主婦などの場合には、その年から控除の対象となります。
多くの場合、年末調整で税金が戻ってくるでしょう。

確定申告

「年末調整」をした場合には、原則として確定申告は不要ですが、次の人は例外です。

申告しなければならない人

年末調整をした場合でも、次の人は確定申告をしなければなりません。

  • 給与収入が2,000万円を超える人
  • 2か所以上から給与をもらっている人
  • 給与以外の所得が20万円を超える人

などは忘れずに確定申告しましょう。

税金が戻ってくる人

年末調整をしたことにより確定申告の義務がない人でも、申告をすれば税金が戻ってくる場合があります。

  • 年間の医療費が10万円を超える人
  • 住宅ローンでマイホームを取得した人
  • 一定の寄付金を支払った人
  • 災害などにより住宅家財の被害にあった人

などは確定申告して税金の還付を受けましょう。

他にもありますが、ざっとこんなところでしょうか。

相続の開始から遺産の名義変更まで

相続の開始から遺産の名義変更までの流れをまとめてみました。

1、相続の開始

相続は死亡により開始します。

2、遺言書の有無の確認

遺言書が故人の遺志として最優先されます。

3、相続人の確認

相続人になれる人は決められています。

4、遺産の調査

遺産がいくらあるか調べます。
非課税財産、債務も漏れなくチェックします。
相続の放棄などを確認します。

5、遺産分けの相談

納税資金や生活資金、次の相続のことも考慮します。

6、遺産分割協議書を作成

協議書がないと預金の引き出しができません。

7、相続税の申告書を作成

納税資金の準備とともに延納、物納も検討します。

8、相続税の申告、納税

被相続人の住所地の税務署に申告、納税します。

9、遺産の名義変更手続き

相続した遺産の名義変更を行います。

以上が基本的な流れです。
真の相続対策は相続を争族しないことだと言われています。
そのためにも、相続対策は実際に相続が開始する前に時間をかけて行いましょう。

不動産に関する税金その4

不動産に関する税金をまとめてみました。その4

相続税

  • 相続税は、相続または遺贈によって取得した財産にかかる国税です。
  • 法定相続人は、故人(被相続人)の配偶者および子や親などです。配偶者は常に相続人になりますが、その他の法定相続人には一定の順序が決められています。
  • 民法には法定相続分の規定がありますが、遺言や相続人間の協議によっては異なる相続分で相続財産を分割することができます。また、相続人間の協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停や審判を求めることができます。
  • 遺言により相続財産を取得する場合でも、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分が認められます。
  • 相続人は相続を放棄することができます。限定承認という方法で相続することもできます。

相続財産の評価

  • 相続税、贈与税の対象となる財産は、「財産評価基本通達」に基づき評価します。
  • 宅地は、利用単位となる一各地の宅地ごとに路線価方式または固定資産税評価倍率方式により評価します。
  • 一定の居住用と事業用の小規模な宅地は、「小規模宅地等の特例」によって、一定の面積に対応する部分の評価額が大幅に軽減されます。
  • 家屋は、固定資産税評価額をもとに評価します。

不動産所得

  • アパートなど不動産の貸付けによって生じた所得は不動産所得となり、他の所得と合計して所得税と住民税がかかります。
  • 不動産所得は、収入金額から必要経費を差し引いて求めます。赤字になった場合には、他の所得と損益通算することができます(ただし、土地などの取得にかかる借入金利子に対応する部分の金額は、損益通算の対象になりません)。
  • 必要経費には、修繕費や固定資産税などのほか、借入金の利子や建物の減価償却費などが含まれます。
  • 一定の新築のアパートやマンションについては、割増償却が認められます。

以上、不動産に関する税金を4回に分けてまとめてみました。
不動産の取引は金額が大きくなりやすいので、関連する税金の取扱いに見落としがないよう注意しましょう。

個人製造業の棚卸資産(在庫)の評価

個人製造業の棚卸資産(在庫)の評価について考えてみました。

棚卸資産(在庫)の種類

物品製造業で代表的なものを3つ

  • 原材料
  • 仕掛品
  • 製品

棚卸資産(在庫)の評価

原則として、決算日(12月31日)の実地数量×単価

個人製造業の場合の棚卸資産(在庫)の評価

小規模な個人製造業の場合、毎月きちんと原価計算を行うようなところは少ないと思います。
ですが、確定申告にあたって、在庫の計上(期末棚卸資産の評価)は行わなければなりません。

その場合に問題となるのが仕掛品や製品の製造単価です。

  • 原材料
    ・・・最終仕入原価法(法定評価方法)による場合、決算日(12月31日)に一番近い時期の仕入単価
  • 仕掛品
    ・・・数量×製造単価?×進捗率
  • 製品
    ・・・数量×製造単価?

仕掛品と製品については、基本的に原価計算を行っていないと製造単価はわかりません。

ある程度合理的な評価方法として、棚卸資産の売価に原価率を乗じて在庫を評価する方法があります。

まず、在庫として計上する仕掛品と製品の売価を求めます。
  • 仕掛品
    ・・・数量×販売単価×進捗率=期末仕掛品棚卸高(売価)
  • 製品
    ・・・数量×販売単価=期末製品棚卸高(売価)
原価率を求めます。(A/B)

  • =当期総製造費用+期首仕掛品棚卸高(原価)+期首製品棚卸高(原価)

  • =製品売上高+期末仕掛品棚卸高(売価)+期末製品棚卸高(売価)
売価に求めた原価率を乗じます。
  • 期末仕掛品棚卸高(原価)
    =期末仕掛品棚卸高(売価)×原価率
  • 期末製品棚卸高(原価)
    =期末製品棚卸高(売価)×原価率

上記の評価方法を売価還元法といい、あらかじめ税務署に届け出る必要があります。
また、当期総製造費用を集計するため、製造業用の勘定科目で記帳する必要があります。

小規模な個人製造業の場合、仕掛品や製品の在庫評価については、ある程度合理的な計算方法を、毎年継続して採用していれば問題ないと思いますが、税務調査に耐え得るかと言われれば、保証はできません。
そもそも、製造業の原価計算自体、その企業の考え方によるところが大きく、この計算方法が絶対正しいと言い切れるものではありません。
製造単価だけでなく、仕掛品の進捗率の把握についても同じことが言えます。

ポイントとしては、他の者から見ても合理的と思える計算方法を決め、継続してその計算方法を採用する。と言ったところでしょうか。

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