税金

休業法人には、均等割額の軽減や免除があります。

法人市民税や県民税の均等割額

法人の税金には、赤字でも支払わなければならない、法人市民税や法人県民税の均等割額というものがあります。

どんなに小規模な法人でも、
法人市民税均等割額・・・約5万円
法人県民税均等割額・・・約2万円
合計、最低約7万円(自治体によって少し金額が変わります)の税金を支払わなければなりません。

でも、休業中の法人などについては、多くの自治体でこの均等割額に軽減や免除を設けています。

軽減・免除の金額や手続き

各自治体によって、均等割額が軽減・免除される金額やそのための手続きが異なります。

名古屋市の場合
例えば、名古屋市の場合、清算中の法人や6カ月以上引き続いて事業を中止中の法人については、申告期限までに「法人の市民税減免申請書」やその他必要な書類を提出することにより、市民税均等割額が2分の1に減免されます。
法人市民税のQ&A:法人市民税の申告について
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000000050.html

春日井市の場合
お隣の春日井市の場合、休業中で所定の要件を満たし、申告期限までに「法人等異動申告書」やその他必要な書類を提出することにより、市民税均等割額が全額免除されました。
免除されました、というのも、春日井市のホームページでは、軽減や免除についての情報を見つけることができなかったので、市役所に電話で直接問い合わてみたら、丁寧に教えてもらえました。

このように、各自治体によって減免・免除される金額や手続きが異なりますので、直接自治体に確認をとるようにしましょう。

商品を自分で使った、タダであげたときの売上は?

個人事業主で、仕入れた商品や材料など(棚卸資産)を

  • 自分で使った。
  • タダであげた。
  • 半額で売った。
  • 捨てた。

このような場合、どのような経理をすればいいのでしょうか?

自分で使った、タダであげた場合

売価の70% or 仕入原価
いずれか大きい金額を売上に計上してください。

例えば、仕入原価50円、売価100円の商品を、自分で使った、タダであげた場合
100円×70%>50円 ∴70円
仕訳
事業主貸 70 家事消費等(売上) 70

半額で売った場合

売価の70%を売上に計上してください。
仕入原価は使用しません。

例えば、仕入原価50円、売価100円の商品を、半額の50円で売った場合
100円×70% ∴70円
仕訳
現金   50 売上 50
事業主貸 20 家事消費等(売上) 20
流行遅れ、型崩れ、広告宣伝などの場合には、半額50円の売上だけでOKです。

捨てた場合

仕入原価を廃棄したことになります。
売上に計上する必要はありません。

例えば、仕入原価50円、売価100円の商品を、捨てた場合の仕訳

  • 当期に仕入れ、捨てた場合の仕訳
    商品廃棄損  50 仕入高 50
  • 前期に仕入れ、捨てた場合の仕訳
    商品廃棄損  50 商品  50

売上に計上する金額などが、それぞれ違いますので注意してください。
また、卸売業や小売業だけでなく、製造業や飲食店業なども同じように計算します。

小規模企業共済で節税

小規模企業共済制度を利用すれば、大きく節税できます。

小規模企業共済制度とは、個人事業を廃業したとき、会社の役員を退職したときなどの退職金として、あらかじめ積み立てておくための共済制度です。加入資格は中小企業に限られます。

掛け金の金額

掛金は、月額1,000円~70,000円まで、自由に選択できます。
増額、減額も可能です。

掛け金を支払ったときの節税効果

掛金は、全額所得控除の対象となります。
最大7万円を1年間(12ヵ月)支払った場合、84万円を控除できます。
所得税10%、住民税10%であれば、16万8千円、税金が安くなります。

生命保険や地震保険も所得控除の対象となりますが、どれだけ保険料を支払っても、
生命保険料の控除は最大12万円、地震保険料の控除は最大5万円です。
所得税10%、住民税10%であれば、3万4千円、税金が安くなります。

当然どちらにも加入することはできますが、資金的余裕がある場合には、小規模企業共済の方が節税効果は高いです。

解約し退職金として受け取るときの節税効果

解約し退職金として受け取れば、退職所得の扱いになり、控除額が大きくなるため、税金を低く抑えられます。
個人事業主の場合、事業資金から自分に退職金として支払っても節税効果は全くありません(経費になりません)。
しかし、小規模企業共済制度を利用し退職金として受け取る場合には、退職所得の扱いとなります。
法人の場合も、給与所得ではなく退職所得の扱いとなります。

控除額は、
40万円×勤続年数(最大20年)+70万円×(勤続年数-20年)
です。
退職金として受け取った金額が、この控除額より少なければ、まったく税金はかかりません。
控除額より多くても、控除後の金額を2分の1してから税金をかけるため、節税効果はかなり高いです。

資金的余裕がある場合には、まず加入しておきたい制度です。

節税は、法人と個人が別の人格であることを利用する。

なぜ、法人と個人(個人事業主)は別の人格なのか?

法人も個人(個人事業主)と同じで、人格を持っています。
預金通帳も法人名で作成できます。法人が車の購入をしたりローンを組んだりすることもできます。
法人の名前で契約を結ぶことができるからです。

なぜ、そんなことになっているのでしょうか?
例えば、個人の集まりがお金を出し合って会社を設立したとします。
一個人の名前でしか預金通帳が作成できないと、みんなで出し合ったそのお金は、その一個人の財産とみなされてしまいます。
また、取引先も特定の個人ではなく、その会社を信用して取引をしているので、その会社に入金しようにも困ってしまいます。
そうした問題を解決するため、個人とお金が集まる会社に人格を与え、「法人」として銀行と契約を結べるようにし、預金通帳を作成できるようにしているのです。

税金も同じで、会社を一つの人格として認め、その会社の利益に課される税金が「法人税」です(正確には、法人税、法人事業税、法人県民税、法人市民税です)。
役員や従業員に経費として給与や賞与を支払えば、当然その会社の利益は少なくなり、法人税も少なくなるわけですが、代わりに給与や賞与を受け取った個人に「所得税」と「住民税」が課されるといった仕組みです。
このあたりはうまくできています。

別人格を利用して節税をすることも可能です。

今は代表者一人でも、会社を設立することができます。
会社の利益をすべて代表者に給与として支払えば、会社の利益はゼロですから法人税もゼロです(実際には、利益がゼロでも、その会社の資本金などに応じて支払わなければならない税金が最低7万円~あります)。
そして、会社の利益分だけ給与を受け取った代表者は、所得税と住民税を納めることになります。
ちなみに、個人事業主の場合、事業の利益から自分(事業主)に給与を支払うことはできません(生活費であり経費にはなりません)。

ここで一つのギモンが生じると思います。ほぼ一人で事業を行っている場合で、2つの選択肢です。

  • 法人を設立する。そして法人から給与を受け取る。「給与」に対して税金。
  • 法人を設立しない。個人事業主として利益を上げる。「利益」に対して税金。

この「給与」と「利益」の2つが同じ金額である場合、課される税金は同じ金額でしょうか?

答えは、同じではありません。

個人事業主として上げた利益がある一定のラインを超えると、法人を設立して、その利益分を給与として受け取ったほうが、税金が少なくて済みます。
したがって、その一定ラインで法人化すれば、最も効率的に節税できることになります。

その詳しい仕組みは、また後日に。

説明に専門用語を使うか使わないか?

お客様への説明に専門用語を使用せず、簡単に説明するには?

専門用語を使わなくても、簡単に説明してもいい一つの例を、
「消費税の納税が必要かどうか?」という質問で考えてみたいと思います。

簡単に説明すると、
「2年前(2期前)の売上が1,000万円を超えているなら、納税が必要ですよ。」
おおよそ、この説明で問題が起きることはありません。

これを専門用語で漏れなく説明しようとすると、
「その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の場合には、その課税期間の納税義務が免除されます。」
となってしまいます。
さすがに極端ですけどね。国税庁のHPからそのまま引用しました。

前者の説明のほうがわかりやすいのは間違いないです。

しかし、前者の説明では問題が起きる場合もあります。例えば、

  1. 土地の販売・貸付けや住宅の貸付けなど、非課税の売上が多くを占める不動産の販売業者・貸付業者など
  2. 資本金が1,000万円以上の新設法人
  3. 2期前の事業年度が11ヶ月以下の法人(事業年度がない場合を除く)
  4. 前年1月1日から6月30日の間または前期前半6ヶ月の間で、課税される売上が1,000万円を超え、かつ、給与などの金額も1,000万円を超える個人事業主および法人
  5. あらかじめ、消費税の課税事業者となることを届け出ている個人事業主および法人
  6. 相続があった個人事業主
  7. 合併、分割があった法人

他にもありますが、これらに該当する場合には、説明のしかたを変えなければなりません。
逆に言えば、これらに該当しないことを知っていれば、上記の簡単な説明でも問題ないわけです。
まずはわかりやすくシンプルに、を心掛けています。

上場株を売ったときにかかる税金

上場株を売ったときにかかる税金などについてまとめてみました。

上場株の税率など

上場株を売った(売れた)場合には、その譲渡益(もうけ)に対して課税されます。
その譲渡益は、事業所得や不動産所得などとは切り離して課税されます(分離課税といいます)。
事業所得や不動産所得などは、所得が一定額を超えた場合、その超えた部分により高い税率が課されます(超過累進税率といいます)が、上場株については、どれだけ譲渡益が増えても、一定の税率が課されます(比例税率といいます)。

  1. 上場株の譲渡益(もうけ)に対する税率は、20.315%(所得税(復興税を含む)15.315%、住民税5%)です。
  2. 上場株の譲渡損失(赤字)は、まず、その年の他の株の譲渡益と相殺されます。
  3. 相殺しきれなかった譲渡損失は、上場株の配当から控除することができます。
  4. さらに、その配当から控除しきれなかった譲渡損失は、翌年以後3年間繰り越し、翌年以後の株の譲渡益や上場株の配当から控除することができます。

これらの相殺や損失の繰り越しをする場合には、確定申告が必要となります。

上場株の優遇措置

特定口座制度
証券会社に特定口座を設けた場合、その口座内で売買した上場株の譲渡益については、

  • 証券会社が税額の徴収・還付を代行してくれる「申告不要制度」
  • 証券会社が交付する「年間取引報告書」により比較的容易に確定申告ができる「簡易申告制度」

があります。

他にもありますが、ざっとこんなところです。

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