個人事業主のお客様から「いくらぐらい稼いだら、法人成りしてもいいの?」とのご相談をよく受けます。
主に節税面からのご相談ですから、「好きな時に、ご自由に。」とは言えません。
まず「稼ぐ」ですが、「収入(売上)」ではなく、「所得(もうけ)」の金額が目安となります。
なぜなら、所得税や法人税は、「収入」ではなく、「所得」に対して課される税金だからです。
ちなみに、個人事業主の所得は、「収入金額」-「必要経費」で計算されます。
では、個人事業主の所得がどれくらいになったら、法人成りすればよいのでしょうか?
- 100~200万円ぐらいと答える税理士はまずいないでしょう。
- 300~400万円ぐらいと答える税理士は少数派でしょうか。
- 500~600万円ぐらいと答える税理士はかなりいると思います。私もここら辺りです。
- 700~800万円ぐらいと答える税理士も割と多いでしょう。
- それ以上と答える税理士もいます。
どれが正しいのでしょうか?
「正直、わかりません・・・。」
そもそも、この中に必ず正解があるなら、最初から法人で起業される方は間違いということになってしまいます。決してそんなことはありません。
私が500~600万円ぐらいのラインだと思うのも、独自のモデルケースを持っているからに他なりません。
そのモデルケースは、当然税理士によって違います。
専門家でも意見が分かれるのは、想定する企業のモデルが異なるからです。
私の場合は、まず一般的な例をご説明し、お客様のお話を聞きながら、状況に合わせて、補足しながら相談を進めていきます。
一般論はあくまで相談の出発点に他ならず、それを押し付けても意味がありません。
お客様が「よし、それなら法人化してみよう!」とか、「いや、今はまだ時期尚早かな。 」と決断できることが重要だと考えています。