不動産

不動産に関する税金その4

不動産に関する税金をまとめてみました。その4

相続税

  • 相続税は、相続または遺贈によって取得した財産にかかる国税です。
  • 法定相続人は、故人(被相続人)の配偶者および子や親などです。配偶者は常に相続人になりますが、その他の法定相続人には一定の順序が決められています。
  • 民法には法定相続分の規定がありますが、遺言や相続人間の協議によっては異なる相続分で相続財産を分割することができます。また、相続人間の協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停や審判を求めることができます。
  • 遺言により相続財産を取得する場合でも、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分が認められます。
  • 相続人は相続を放棄することができます。限定承認という方法で相続することもできます。

相続財産の評価

  • 相続税、贈与税の対象となる財産は、「財産評価基本通達」に基づき評価します。
  • 宅地は、利用単位となる一各地の宅地ごとに路線価方式または固定資産税評価倍率方式により評価します。
  • 一定の居住用と事業用の小規模な宅地は、「小規模宅地等の特例」によって、一定の面積に対応する部分の評価額が大幅に軽減されます。
  • 家屋は、固定資産税評価額をもとに評価します。

不動産所得

  • アパートなど不動産の貸付けによって生じた所得は不動産所得となり、他の所得と合計して所得税と住民税がかかります。
  • 不動産所得は、収入金額から必要経費を差し引いて求めます。赤字になった場合には、他の所得と損益通算することができます(ただし、土地などの取得にかかる借入金利子に対応する部分の金額は、損益通算の対象になりません)。
  • 必要経費には、修繕費や固定資産税などのほか、借入金の利子や建物の減価償却費などが含まれます。
  • 一定の新築のアパートやマンションについては、割増償却が認められます。

以上、不動産に関する税金を4回に分けてまとめてみました。
不動産の取引は金額が大きくなりやすいので、関連する税金の取扱いに見落としがないよう注意しましょう。

不動産に関する税金その3

不動産に関する税金をまとめてみました。その3

贈与税(暦年贈与)

  • 財産の贈与を受けた人が支払う国税です。
  • 個人間の贈与に限られ、法人からの贈与は所得税の課税の対象です。
  • 毎年1月1日から12月31日までの間に贈与によって取得した現金、預貯金、株式、不動産などが贈与税の課税の対象です。
  • 受取人以外が保険料を支払っていた生命保険金や時価より著しく低い価額の財産の譲り受け、不動産の名義変更なども贈与税の課税の対象です。
  • 贈与税は相続税と密接な関係にあり、税率は10%~55%と同じですが、税率の刻みが相続税よりも急なため、一般的に税額は相続税よりも高くなります。
  • 贈与税の控除には、年間110万円の基礎控除や婚姻期間が20年以上の配偶者間で居住用不動産などの贈与があった場合の2,000万円控除(配偶者控除)などがあります。
  • 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに申告と税額の納付を金銭で行います。

贈与税(相続時精算課税)

  • 受贈者が、従来の暦年単位の贈与税制度に代えて、贈与税と相続税を通じた納税制度を選択できる仕組みです。
  • 贈与者は、60歳以上の父母または祖父母、受贈者はその年の1月1日現在で20歳以上の子または孫です。
  • 受贈者は、贈与者ごとに相続時精算課税を選択できますが、一度選択したら取り下げることができません。
  • 2,500万円の特別控除額に達するまでの贈与は非課税ですが、贈与を受けた財産はすべて相続財産に加算され、相続時に精算されます。
  • 受贈者は、この制度を選択しようとする最初の贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に相続時精算課税を選択する旨の届出が必要です。
  • 贈与税の特別控除額(非課税枠)内の贈与でも、贈与税の申告が必要です。

住宅取得等資金の贈与の特例

  • 住宅取得等資金とは、一定の住宅用家屋の新築、取得または増改築などの対価に充てるための金銭をいいます。
  • 相続時精算課税は、60歳以上の父母または祖父母からの贈与が適用対象となりますが、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例により、一定の要件を満たす住宅取得等資金の贈与については、贈与者の年齢要件はありません(60歳未満の父母または祖父母からの贈与も相続時精算課税の適用対象となります)。
  • 平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、新築などをする住宅用家屋の省エネ、耐震性、高齢者への配慮性の有無に応じて、一定の金額まで贈与税を非課税とする特例(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度)があります。
  • 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税は、暦年贈与、相続時精算課税を問わず適用を受けることができます。

次回で最後です。

不動産に関する税金その2

不動産に関する税金をまとめてみました。その2

固定資産税

  • 土地、家屋、償却資産(固定資産)に、毎年かけれらる市町村税です。
  • 毎年1月1日現在、市町村の固定資産台帳に所有者として登録されている人にかかります。
  • 土地、家屋の固定資産税評価額は、3年に一度評価替えされます(次回は、平成30年度)。
  • 納税は、毎年市町村長から送られてくる納税通知書により、年4回に分けて銀行などで納付します。
  • 納期は、原則として、4月、7月、12月、2月で、自治体や年度によって異なる場合があります。

都市計画税

  • 都市計画事業や土地区画整理事業にかかる費用の一部に充当するため、市町村が課す地方税です。
  • 市街化区域内の土地、家屋が課税の対象です。
  • 固定資産税評価額を基準として、税額を算出します。
  • 固定資産税と一緒に送られてくる納税通知書により、併せて納付します。

譲渡所得

  • 土地や家屋などを譲渡して得られる利益(値上がり益)を譲渡所得といいます。
  • 個人が不動産を譲渡した場合には、その所得と他の所得を分離して、所得税と住民税が課されます。
  • 税額を計算する場合には、収入金額そのものではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いた残り(譲渡益)が課税の対象です。
  • 譲渡の内容により、各種の軽減措置があります
    ・居住用財産の3,000万円特別控除
    ・居住用財産の軽減税率
    ・特定居住用財産の買換えの特例

まだまだ続きます。

不動産に関する税金その1

不動産に関する税金をまとめてみました。その1

印紙税

  • 契約書、領収書、手形などに文書を作った人が収入印紙を貼り、消印して納める国税です。
  • 印紙税のかからない文書に収入印紙を貼ってしまった場合、定められた金額以上の収入印紙を貼ってしまった場合には、税務署で一定の手続きを行うことで返還してもらえます。
  • 印紙税を納めなかった場合には、本来の印紙税額の3倍の過怠税がかかります。
  • 文書に貼った収入印紙を消印しなかった場合には、消印しなかった金額と同額の過怠税がかかります。

登録免許税

  • 不動産の登記などを行う場合にかかる国税です。
  • 登記の種類によって、税率が異なります。
  • 一定の土地、家屋については、軽減措置があります。
  • 表題登記には課税されません。

不動産取得税

  • 土地や建物などの不動産を取得した者に対して、都道府県が1回限りで課す地方税です。
  • 登記申請後、都道府県税事務所などから送られてくる納税通知書により、銀行などで納付します。
  • 不動産の取得には、売買によるものだけではなく、家屋の建築、増改築、不動産の交換や贈与(死因贈与も含みます)も含まれます。
    ただし、相続(相続人に対する遺贈を含みます)や法人の合併のように形式的な移転の場合には非課税です。
  • 宅地および宅地比準地には、課税標準の特例措置が設けられています。
  • 一定の条件を満たす家屋および住宅用地には、課税標準の特例および税額の軽減措置が設けられています。

まだありますが、続きはまた次回に。

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