所得税や法人税は、課税所得(もうけ)に対して税金がかかります。
その課税所得(もうけ)が500万円ぐらいだとして、
法人も個人事業主も、だいたい110万円前後の納税になります(※かなりざっくりとした概算ですよ)。
例えば、そのうち10万円を節税しようとしたら、どれくらいの支出(経費)が必要なのでしょうか?
法人が、法人税(法人県民税・市民税などを含む)を10万円減らそうとする場合、
10万円÷実効税率23%=約43万円の支出が必要です。
つまり10万円の税金は減らせても、43万円の現金は無くなってしまうわけです。
個人事業主が、所得税や個人住民税を10万円減らそうとする場合、
10万円÷税率30%=約33万円の支出が必要です。
同じように、33万円の現金は無くなってしまうわけです。
当然の話ですが、節税額の倍以上のお金が必要なんですね。
また、建物や車両などの固定資産への支出は、全額を経費にするには時間がかかります。
例えば、社用車なら減価償却により4年~6年ぐらいかけて、やっと全額が経費になります。
つまり大きな投資したからといって、単年度の節税効果はそれほどでもないということです。
自分が支払う多額の税金を知ってしまうと、冷静でいられなくなる気持ちはよくわかります。
将来的に会社に必要な支出で節税できるなら、何の問題もありませんし、むしろ支出すべきです。
ですが、税金を怖がるあまり、無駄なものをたくさん購入してしまい、結果としてお金が無くなり、事業も苦しくなっては本末転倒です。
そもそも自分の生活を豊かにするために働いているわけですから、節税を意識しすぎるあまり、事業や生活に意味のないお金の投資に注意したいですね。