やはり現金は自動化できない。

今やほとんどの会計ソフトで、銀行口座やクレジットカードの取引について、自動取り込みが可能となりました。

最後の砦は「現金」です。

しかし、こればかりはどうにも自動化できません。

物としての紙幣と硬貨のやり取りは、当人にしかわからない。

入力や仕訳の自動化は、誰かが取引の決済を見張っているという客観的な事実がなければ成立しないものです。
例えば、銀行やクレジットカード会社など。

全ての取引を自動化するためには、現金取引をやめなければなりません。
現金取引を極力避けることはできますが、完全になくすことは難しいでしょう。
なぜなら、消耗品や事務用品の購入、打合せや接待の飲食にかかる支出については、紙幣や硬貨しか使用できないお店が多いからです。

また、現金取引は他の決済手段に比べて、客観性が乏しいのもの事実です。
客観性を保証するための領収書の保存は大切ですが、領収書があれば間違いないかといえば、そうでないかもしれません(私は基本的に信用しますが)。
現金取引であれば、全く関係ない他の人から領収書だけをもらうことだって可能ですし、当人が取引を隠ぺいするため領収書を破棄した場合、調査は非常に困難になります(もちろん違法行為です)。預金取引であれば取引記録は通帳に残ります。

そしてミスも起きやすいです。レーシート1枚紛失しただけで、当然現金の実際有高と帳簿残高は合わなくなります。
数日経理をさぼると、合わない金額がどんどん大きくなり、現実離れした帳簿残高が独り歩きを始めます。そうなると合わなくなった原因は、当人にもわからないといった状態になります。

所得と税額の正しい計算のためには、いろいろと面倒な現金取引を少なくすることも、一つの近道と言えるでしょう。

しかし、全てを自動化できたとしても、問題はその中身ですが。その話はまた後日。

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